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2008年02月22日

昔はよかったか

例えば、
「昔の映画は名作が多かった」とか、
「昔の小説は内容が深い」とか、
「昔の音楽は心に沁みるような良い曲が多かった」とか、
或いは「昔の人間関係は温かみがあった」とか、とにかく様々な「昔賛美」を色々な場面で耳にします。
もちろんそれらの言葉には、今現在の事象に対する批判というか、不満が含まれています。
「昔の音楽は良かった」はつまり「今の音楽は良くない」という意味であり、
「昔のプロ野球選手はすごかった」はつまり「今のプロ野球選手はすごくない」という意味なのです。

私の個人的感覚では、それはある意味当然であり、またある意味間違っているような気がします。
なぜなら、昔も今も、何に関しても玉石混合であると思うからです。
「昔の音楽は良かった」と言って思い出す曲は、それは名曲でしょう。
しかし実は、その人が思い出してないだけで、ひどい曲もたくさんあったはずです。
逆に言えば、記憶にも残らないような曲がたくさんあったはずなのです。
つまり、人々の中では、常に玉石の中の「玉」が記憶に残り、「石」は忘れ去られる。
それが繰り返される内に、人の記憶の中の「昔」は「玉」ばかりになっていき、「昔は良かった」となります。
実は今も昔も、たくさんの「石」の中に少しの「玉」が混ざってるのは変わらないんですが、今の「石」は生々しく存在しているから、「玉」の印象が薄くなるというわけです。

だから「昔は良かった」というのは、ある意味当然であり、またある意味間違っているのです。

投稿者: ishibashi 日時: 2008年02月22日 19:45 | パーマリンク |TOPページへ   ▲画面上へ

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